長期目線で株式投資をする際、ファンダメンタルズ分析の手法が使われます。ファンダメンタルズ分析には様々な要素が存在しており、注目したい一つの要素としてROEがあります。
ROEとは、自己資本比率のことです。その株式を発行している会社の自己資本に対して、利益を生み出す割合が、数値としてあらわされます。
計算式は、当期純利益÷自己資本です。
別の計算式として、一株あたり当期純利益÷一株あたり純資産額でも算出可能です。
投資家自身で計算するのはなかなか面倒な作業ですが、証券会社が計算済みのROEを株式ごとに表示している例が多数見受けられますので、その数値を参考にするのが簡単です。
株式投資でROEがなぜ利用されるのかについては、その株式を発行している会社が投資家から集めた資金で、どの程度効率的に事業等で儲けを得られているかの判断基準に使われています。
効率的に稼げる能力を持っている会社だと投資家に判断されますので、購入を希望する投資家が集まりやすく、それに応じて株価が上昇しやすいのが特徴です。
基準とするROEの数値ですが、10%以上が望ましいとされます。
効率的に利益を出せる実力のある企業として判断できる、一般的な基準です。
国内ではやや知名度の低いROEではあるものの、外国人投資家はこの数値を重視して株式を購入する傾向を持ちます。
国内の株式市場は60%以上を外国人投資家が占めるとされますので、株式購入時の重要資料として利用するのもおすすめです。
株式投資でROEを利用する場合の注意点ですが、短期投資の基準としてはあまり機能しないとされます。どちらかと言えば長期投資向けです。
ROEの高い株式の傾向として、数年掛けてじっくりと株価を上げていくものがよくあるからです。
じっと待ち続ける必要はあるものの、株価の低いタイミングで購入すれば後は安定的に株価が高まってくれるため、比較的安全に資産を増やしやすいメリットがあります。
また、世界規模で治安や経済に不安なニュースが飛び交ったときにも、株価が下がりにくいという特徴を持つ株式も少なからずあります。
別の注意点として、会社の負債をチェックすることも大事です。
ROEを計算するとき、融資などの借金の負債が使われません。
多くの負債を抱えている会社の株式で、ROEが高い場合もよくあります。
この場合、ROEと同時に負債についても調べてから株式購入を決断すると、低リスクで投資できる可能性が高まります。